花粉症

花粉症

花粉症とは?

花粉症とは花粉(スギやヒノキ、ブタクサなど)が原因となった、季節性アレルギー症状のことです。

 

一般的には、

さらさらな鼻水

鼻づまり

突然のくしゃみ

目のかゆみ

目の充血

涙目

などの症状に悩まされる方が多いでしょう。

 

これらの症状に加えて、

以下のような「全身症状」に困っている方もいらっしゃるかもしれません。

体のだるさ

熱っぽさ

イライラした気持ち

喉や顔、首のかゆみ

集中力の低下

 

花粉症は、目や鼻から入ってきた花粉が体内で“排除すべき異物”として認識されて起こる一連の免疫システムが発症メカニズムに関わっています。

  • 私たちの体は、“花粉”という異物(抗原)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えます。
  • 花粉(抗原)を排除すると判断した場合、リンパ球(T細胞やB細胞)が「抗体」をつくります。
  • 抗体は伝達物質を貯蔵した「肥満細胞」にくっつきます。肥満細胞は私たちの皮膚や粘膜など全身の組織に広く分布している細胞です。
  • 抗体は伝達物質を貯蔵した「肥満細胞」にくっつきます。肥満細胞は私たちの皮膚や粘膜など全身の組織に広く分布している細胞です。
  • その結果、花粉(抗原)をできる限り体外に出そうと、くしゃみ・鼻水・涙で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状が出てくるのです。

治療開始のタイミング

適切な治療法を取り入れていけば、花粉が多い年であっても約半数の花粉症患者さんが大きな副作用がない状態で、花粉シーズンを過ごすことができると言われています。特に、花粉の飛び始め直後から治療を開始する初期治療が有効であることが知られていますので、花粉シーズン前の早めの来院をお勧めいたします。スギ花粉症であれば、例年1月中旬~下旬をお勧めしています。

 

花粉症は日常生活に多大な影響を与え、生産効率を下げることが知られています。花粉症による症状で支障が出る前に症状を抑えたり、軽減することで「いつもの日常」を守っていきましょう。

花粉の飛散時期

日本国内ではスギ花粉による花粉症が多いですが、花粉症の原因となる主な植物の花粉はスギ以外にもたくさんあります。「毎年、秋頃に花粉症になっている」など、スギ花粉の時期(2~4月)以外にアレルギー症状がみられるようでしたら、アレルギー検査を行い原因を知ることをお勧めいたします。原因となる花粉が分かれば、飛散時期を把握することで、症状が重くなる前に対策をすることができます。関東圏内の主となる花粉の飛散時期は以下の表の通りですので、参考にしてみてください。

花粉症の治療

花粉症の治療には症状を抑える対症療法として以下の薬物療法をご提案しております。

症状の度合いや治療開始時期などで、どのような対症療法を選択するかは変わっていきます。

具体的にどのような薬剤が使われているかというと、次のようなものがあります。

  • 第1世代 抗ヒスタミン薬

    既につらい症状があり、できるだけ早く症状をおさめたい場合に優先して使用しますが、眠気が問題となります。

  • 第2世代 抗ヒスタミン薬

    現在、花粉症治療で最も多く使われているお薬です。
    花粉の飛散前や症状が軽い内に服用することで、つらい症状をおさえます。
    また、「眠くなりにくさ」を重視する場合に使用することが多いお薬です。
    効果がでるまでに1~2週間ほど時間がかかります。

  • ケミカルメディエーター遊離抑制薬(抗アレルギー薬)

    予防効果の高いお薬です。
    花粉飛散の初期(症状が出る前)から用いることで、重症化を防止することができます。
    効果がでるまでに2~4週間ほど時間がかかります。

  • 抗ロイコトリエン薬

    抗ヒスタミン薬に比べて鼻づまりに対する効果が高いと言われています。
    効果がでるまでに1週間ほど時間がかかります。

  • 鼻噴霧/吸入用ステロイド薬・点眼ステロイド薬

    くしゃみ・鼻水・鼻づまりに効果のあるお薬です。
    鼻の症状が強い方にご提案いたします。
    1~2日ほどで効き始めます。
    同様に、眼のかゆみ、充血、涙目といった眼の症状には点眼薬が使用できます。

  • 点眼抗アレルギー薬

    眼のかゆみ、充血、涙目といった症状に効果のあるお薬です。
    有効性が高く、副作用も少なく、使いやすいお薬です。

  • 点鼻用血管収縮薬

    即効的に鼻づまりに効果のあるお薬です。
    続けて使用すると、鼻づまりがひどくなることがあるので注意が必要です。

  • 経口ステロイド薬

    症状が強い時に短期的に使用する場合があります。
    第1世代抗ヒスタミン薬と、ステロイドの合剤であるお薬(商品名セレスタミン)が代表的です。

抗IgE抗体製剤(生物学的製剤)

これまでは、気管支喘息や慢性じんましんに対してのみ使用することができた「抗IgE抗体製剤(商品名ゾレア)」という注射が、2020年度からは、季節性アレルギー性鼻炎に対しても使用可能となりました。

投与できる患者さんには条件があり、また保険適応ですが高額な注射ではありますが、効果は絶大です。

当院でも治療可能ですので、詳しくお知りになりたい方はご来院いただくか、ご遠慮なくお気軽にお問い合わせください。

妊娠中・授乳中の方の花粉症治療について

妊娠中の方

妊娠中でも花粉症の治療はできます。

ご希望がありましたら、ご来院いただくか、お気軽にお問い合わせください。

 

授乳中の方

授乳中でも花粉症の治療はできます。

授乳中に内服した薬剤は、薬によっては、お母さんの血液から母乳中に移行しますが、赤ちゃんの身体に吸収される薬剤の量は非常に少なく、影響はほとんどないとされています。

当院では乳児への有害報告がなく、リスクが極めて低いお薬をご提案させていただきます。

ご希望がありましたら、ご来院いただくか、お気軽にお問い合わせください。

花粉症治療薬と眠気について

花粉症治療の基本となる薬である「抗ヒスタミン薬」は、眠気がつきまとう副作用があります。ですが、近年では、副作用の出にくい抗ヒスタミン薬(第2世代 抗ヒスタミン薬)が治療の主流となっています。

お仕事で運転をされる方、眠気をできるだけ抑えたい方は、医師、薬剤師にご相談ください。

日常の花粉症対策

薬物療法による治療に加え、自分でできる花粉症対策も症状抑制に効果があります。

 

例えば、以下のような花粉症対策を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

花粉シーズンは不要な外出は控える

花粉が多く飛散している日はマスクやメガネを着用する

毛織物など花粉がつきやすい衣服を着ることを避ける

家に入る前に服や髪についている花粉を払っておく

帰宅後の洗顔、うがい、鼻をかむまたは鼻洗浄を心がける

花粉が室内に入らないように窓や戸をしっかり閉じる

掃除をして室内に入った花粉を少しでも除去する

 

どの花粉対策も花粉との接触量と時間を減らすことにつながっています。また、アレルギー反応が大きくならないように、日頃から栄養バランスを考えた食事をとったり、タバコを控えたりすることも花粉症対策になります。できることから始めていきましょう。

診療受付時間

  • ・午前(8:45~12:00)
  • ・午後(13:45~15:00)
  • ・夜間(16:45~18:45)
  • ※午前の12:00~12:30と午後の15:00~15:30は当面の間、発熱外来対応時間となります。

※休診日

木曜、土曜午後、日曜、祝祭日