リウマチの診断・検査

リウマチの診断・検査

関節リウマチの診断は、血液検査、画像検査(レントゲン・エコー)、身体診察などの結果を組み合わせて総合的に行います。

関節リウマチは早期治療が重要な病気であるため、早期に診断するための診断基準も定められています。関節が1ヵ所でも腫れており、画像検査で骨びらん(炎症によって骨が傷ついた状態)が確認された場合には、関節リウマチと診断されることがあります。

関節の腫れや痛みが続いたり、気になる症状がある場合は、早めに専門医を受診しましょう。

関節の腫れが1カ所でもあれば関節リウマチを疑う

関節リウマチの早期発見を目的として、2010年に「ACR/EULAR(エーシーアール/ユーラー)分類基準」(米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が共同作成)が作成されました。

この基準では、腫れや痛みのある関節炎の数や症状の持続期間、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体の有無とその程度、炎症反応の有無などを点数化し、その合計点数によって関節リウマチの可能性を判断します。

ACR/EULAR分類基準は、早期診断を行ううえでとても役立つ基準ですが、関節リウマチと似た症状の病気が含まれてしまう場合もあります。そのため、他の疾患の可能性がないかどうかも含めて、総合的に判断することが重要です。

関節リウマチ分類基準(ACR/EULA分類基準)

  1. 罹患関節数(症状がある関節の数)
  2. 血清学的検査(リウマトイド因子(RF)または抗CCP抗体)
  3. 急性期反応物質(CRPまたは赤沈値)
  4. 症状の持続期間

の4項目についてのそれぞれの点数を合計し、6点以上であれば関節リウマチと診断、抗リウマチ薬による治療を開始します。

対象患者
1.1カ所以上の関節に明らかな滑膜炎(腫脹)を認める
2.滑膜炎の原因として他の疾患によるものが除外できる

 

1. 罹患関節数

  • 小関節:手の親指の第1・第2関節、人差し指~小指の第2・第3関節、手首の骨びらん
  • 中・大関節:肩、ひじ、ひざ、股、足首の骨びらん。変形性関節症との鑑別のため、手指の第1関節、足親指の第1関節は除外する。

 

罹患関節数 点数
大関節1カ所 0
大関節 2~10カ所 1

小関節1~3カ所(大関節罹患の有無を問わない)

2

小関節4~10カ所(大関節罹患の有無を問わない)

3
11カ所以上(1カ所以上の小関節を含む) 5

 

2. 血清学的検査

  • 陽性基準は、施設ごとの正常値を超える場合
  • 低値陽性は、正常上限~その3倍まで
  • 高値陽性は、正常上限の3倍を超える場合

 

血清学的検査 点数
RF陰性かつ抗CCP抗体陰性 0
RF低値陽性または抗CCP抗体低値陽性 2

RF高値陽性または抗CCP抗体高値陽性

3

 

3. 急性期反応物質

  • 陽性基準は施設ごとの正常値を超える範囲
  • スコアリングには最低1つの血清反応と最低1つの炎症反応の測定が必要

 

急性期反応物質 点数
CRP正常かつESR正常 0
CRP異常またはESR異常 1

 

4. 症状の持続期間

  • 評価時に、腫れまたは圧痛関節のうちで、患者が申告する罹患期間

 

症状の持続期間 点数
6週未満 0
6週以上 1

リウマチの検査

医師の触診

医師が手の指やひじ、足の指やひざなどの関節を手で診察します。 これは関節の炎症の有無や程度を調べるためです。

血液検査

関節リウマチの診断や病状の評価には、血液検査が重要な役割を果たします。主に次のような項目を調べます。

 

リウマトイド因子

ヒトのIgGというたんぱく質に対する抗体で、関節リウマチの炎症に関係すると考えられています。 関節リウマチの患者さんでは、約80%の方がリウマトイド因子陽性となります。 ただし、リウマトイド因子の有無だけで関節リウマチと診断することはできません。他の病気でも陽性になる場合があります。

 

抗CCP抗体

関節リウマチの診断に有用性が高い検査です。 発症早期から陽性となることが多く、早期診断に役立つとされています。 ただし、関節リウマチであっても陰性となる場合があります。

 

CRP

体内の炎症の程度を調べる検査です。 CRPは、かぜなどの他の病気でも高くなることがあります。

 

ESR(赤沈)

血液中で赤血球が沈む速度(赤血球沈降速度)を調べる検査です。 体内の炎症が強い場合に、この数値が高くなります。 ただし、貧血など、関節リウマチ以外の原因でも高くなることがあります。

 

MMP-3

軟骨を構成する成分を分解するたんぱく質です。 関節内の炎症が強いと増加します。 関節リウマチの病勢(病気の活動性)を評価するために行う検査です。

画像検査

X線検査

手や足などの骨の状態を調べます。骨が虫食いのように欠けたり (骨びらん) 、関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態 (強直) などから、リウマチの進行度がわかります。

また、関節リウマチでは間質性肺炎という肺炎の一種が起きることがあり、1年に1回程度、肺のX線検査を行うことがあります。

 

超音波検査

手や足などの関節、骨の状態を調べます。

触診ではわからない関節の炎症や骨の状態について、早い段階から検出することが可能です。

その他

尿検査

腎臓に何らかの障害があると、尿にたんぱく質が出るようになります。

尿検査は、腎臓になんらかの障害が現れた時に、それが関節リウマチによるものなのか、他の病気なのか、薬の副作用なのかの判断を行うのに役立ちます。

リウマチと間違えやすい病気

関節の痛みや腫れ、こわばりなどの症状は、必ずしも関節リウマチとは限りません。

実際には、関節リウマチとよく似た症状を示す病気がいくつかあり、見分けが難しい場合もあります。

そのため、症状や診察所見、血液検査や画像検査などを総合的に判断して診断を行うことが重要です。ここでは、関節リウマチと間違えやすい主な病気をご紹介します。

  • 変形性関節症

    加齢や関節の使い過ぎなどによって関節の軟骨がすり減り、痛みや腫れが起こる病気です。
    膝や指の関節などに多くみられます。関節リウマチとは異なり、朝のこわばりは比較的短時間で改善することが多いのが特徴です。

  • 腱鞘炎

    指や手首を動かす腱と、その周囲の腱鞘に炎症が起こる病気です。
    手の使い過ぎやホルモンバランスの変化などが原因となることがあり、指や手首の痛み、動かしにくさがみられます。

  • 更年期による関節痛

    更年期にはホルモンバランスの変化によって、手指や関節に痛みやこわばりを感じることがあります。
    特に女性では更年期症状として関節の不調が現れることがあり、関節リウマチと症状が似ている場合があります。

  • 痛風

    血液中の尿酸が高くなることで関節に炎症が起こる病気です。
    足の親指の付け根などに突然強い痛みや腫れが生じることが特徴で、発作的に症状が現れることがあります。

  • 乾癬性関節炎

    皮膚の病気である乾癬に伴って関節に炎症が起こる病気です。
    指や足の関節が腫れたり、関節の痛みやこわばりがみられることがあります。

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