夏かぜ
プール熱・手足口病・ヘルパンギーナ が、一般に3大夏かぜといわれます。
いずれの病気も、ウイルスによるものです。
プール熱はアデノウイルスが、手足口病とヘルパンギーナはコクサッキーウイルスがおもな原因です。
夏の胃腸かぜ
夏風邪の代表的なものとして、アデノウイルスによるプール熱や、コクサッキーウイルスによる手足口病、ヘルパンギーナなどがよく知られています。
これらのウイルスには、いろいろな型が存在していますので、同じアデノウイルス、エンテロウイルス(コクサッキーウイルスは、エンテロウイルス属のひとつです)でも、種類によっては、夏の胃腸かぜを起こすことがよくあります。
治療
夏の胃腸かぜも、ウイルスをやっつける特別な治療法はありません。お腹のいたみ、はきけ、おうと、下痢などの症状をやわらげる治療(対症療法)が中心となります。
ただし、水分がとれない状態で、おうと、下痢がひどいときには、脱水になると危険ですので、そういった場合には点滴で補給する必要があります。
こんなときには病院へ!
はきけ、嘔吐がひどい場合、下痢がひどい場合、水分をとれない場合、などは病院を受診しましょう。
プール熱
正確には咽頭結膜熱のことですが、夏場におもに子供たちの間でプールによる流行がみられるため、一般にプール熱と呼ばれています。
プール熱の原因は?
アデノウイルスによるウイルス感染症です。
プール熱の感染経路は?
ウイルスが最初に感染するのは、咽頭(のどの奥)と、眼の結膜(眼の表面)です。
プール熱の症状は?
●発熱
●結膜炎の症状:眼の充血、目やに、など
●咽頭炎の症状:のどの痛み、咳、痰、鼻水、など
がおもな症状です。
プール熱の治療は?
ウイルスをやっつける特別な治療法はありません。
熱、眼の症状、のどの症状をやわらげる治療(対症療法)が中心となります。
プール熱は治りますか?対処法は?
通常予後は良好で、自然に回復します。
しかし、ウイルスの感染力は強いため、ご家庭や学校での流行を防ぐ工夫が必要です。
学校に行ってもいいでしょうか?
熱、眼の症状、のどの症状があるうちは、学校を休む必要があります。
全ての症状が治まり、2日間を経過すれば登校が可能となりますが、その際には、病院・医院での治癒証明書(登校許可書)が必要となります。
★当院でも治癒証明書を発行できます。ご相談ください。
手足口病、ヘルパンギーナ
どちらの病気も、コクサッキーウイルスによるウイルス感染症です。
(なお、コクサッキーウイルスは、エンテロウイルス属の一種です。コクサッキーウイルス以外では、エコーウイルスやポリオウイルスもエンテロウイルス属の一種です)
1. 手足口病
症状は、皮膚と口の中のほっしんが特徴的で、手・足・口を中心にみられるため手足口病とよばれます。
手のひら、足の裏には水疱(みずぶくれ)のようなほっしんがみられます。通常は痛みもかゆみもありません。そのほか、おしり、膝、肘などにも赤いほっしんがでてきます。
口の中のほっしんは、皮膚の症状より以前からか、同じ頃からみられるようになります。
熱が出ることはあまりなく、出ても短期間で、37℃程度の微熱です。
治療は?
ウイルスをやっつける特別な治療法はありません。皮膚のほっしんも特別な治療は必要ありませんが、口の中の症状は、乳児ではミルクが飲めないことがあり、脱水の危険があるようなら点滴が必要です。食べたり飲んだりできる場合でも、なるべく刺激が少ないものにするのがよいでしょう。
治りますか?
通常予後は良好で、自然に回復します。
学校に行ってもいいでしょうか?
病気になった直後(急性期)で、発熱やのど、口の中の水疱(水ぶくれ)、潰瘍(粘膜のただれ)があるうちは、出席停止の必要があります。治ってくるころ(治癒期)となって、体調に問題がなく全身の状態がよければ、登校して問題ありません。
2. ヘルパンギーナ
乳幼児に、春~秋にかけて流行がみられます。(それ以外の時期でもおこります)
症状は、急な発熱で、38~39℃の高い熱が数日続き、口の中の痛みを訴えます。特徴的な口の中のほっしん(のどの奥の両側のところの1~2mmくらいの小さな水ぶくれ、水ぶくれが破れてただれたあとなど)がみられれば診断できます。のどの赤みも強くみられます。2~3日は症状が強くなりますが、次第におさまります。
治療は?
ウイルスをやっつける特別な治療法はありません。手足口病と同様、口の中の症状なので、乳児ではミルクが飲めないことがあり、脱水の危険があるようなら点滴が必要です。食べたり飲んだりできる場合でも、なるべく刺激が少ないものにするのがよいでしょう。
治りますか?対処法は?
通常予後は良好で、自然に回復します。
学校に行ってもいいでしょうか?
病気になった直後(急性期)で、発熱やのど、口の中の水疱(水ぶくれ)、潰瘍(粘膜のただれ)があるうちは、出席停止の必要があります。治ってくるころ(治ゆ期)となって、体調に問題がなく全身の状態がよければ、登校して問題ありません。