健康診断を受けた方へ

健康診断を受けた方へ

健康診断 “受けて終わり” になっていませんか?

企業に勤められている方は、労働安全衛生法に基づき、年に一度の定期健康診断への受診が義務付けられています。

一般的に「一般健康診断(一般健診、定期健診)」と呼ばれているものです。

その他、生活習慣病の予防・早期発見を目的に40~74歳の人を対象に実施する「特定健康診査(特定健診、メタボ健診)」などがあります。

加入している健康保険ごとに多少の違いはあるものの、基本的に年に1回、ご自身の健康状態を確認し、生活習慣病の予防や表面化していない病気を見つけるために、基本的な健康診断を行っているかと思います。

 

さて、健康診断は結果を受けとってからが大切です。

健康診断のあと、「要精密検査(要二次検査)」「再検査」「要医療」「要治療」などと記された項目について、放置していませんか?

ドキッとした人が多いのではないでしょうか。

 

今回は、健診結果のご相談で多い、コレステロール、尿酸、糖尿病、血圧について説明いたします。

健康維持のために、健診結果を見直してみましょう。

コレステロール

コレステロールとは?

コレステロールは、肝臓で作られるもの(内因性といいます)と、食事から摂取されるもの(外因性といいます)に分けられます。

外因性のコレステロールは、小腸から吸収されて、血液中で特殊な蛋白(リポ蛋白といいます)に包まれて、血液中に溶けやすい形となって全身に運ばれ、私達の生命活動を維持するために消費されます。

 

コレステロールとは、総コレステロール(TCHO)のことで、このうち、全身で消費されるのはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)になります。

一方、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は、全身で消費されなかったコレステロールを肝臓へ運ぶ役割をします。

肝臓に運ばれたコレステロールは、胆汁酸として便と一緒に排泄されます。

図のように、高コレステロール血症は動脈硬化を引き起こす一因になるため、LDLは増えすぎないように、HDLは減りすぎないようにする必要があります。

脂質異常症の診断

脂質異常症は、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が異常な値になる病気です。

下の表の基準で診断されます。

 

脂質異常症診断基準(空腹時採血*)

LDLコレステロール 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL 境界域高LDLコレステロール血症**
HDLコレステロール 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
トリグリセライド 150mg/dL以上 高トリグリセライド血症
Non-HDLコレステロール 170mg/dL以上 高non-HDLコレステロール血症
150~169mg/dL 境界域高non-HDLコレステロール血症**

 

* 10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。

** スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。

・LDL-CはFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)または直接法で求める。

・TGが400mg/dL以上や食後採血の場合はnon-HDL-C(=TC-HDL-C)かLDL-C直接法を使用する。

ただしスクリーニング時に高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する。

尿酸

尿酸とは?

尿酸とは、プリン体という物質が体内で分解されて出来た最終代謝産物のことを言います。

私たちの細胞には遺伝情報を伝えるのに欠かせない核酸という物質がありますが、プリン体は、この核酸を構成する成分となっています。

プリン体は、大部分が腎臓の腎糸球体という場所でろ過され、尿細管で吸収されますが、一部はこれらのプリン体は尿や便として排泄されます。

 

何らかの原因で血液中に尿酸が過剰な状態が続くと、尿酸ナトリウム結晶を形成し、関節滑膜や腎の尿細管に沈着して、炎症反応を中心とした病変を引き起こし、痛風関節炎や通風腎などを発症します。

尿酸の基準値

正常値は、男性が3.5~7.5mg/dl、女性が2.5~6.0mg/dlです。

基準値を超えている場合を高尿酸血症と呼びます。

プリン体を多く含む飲食によって起こるほか、一部の薬剤やサプリメントの摂取でも尿酸値は増加しますので、注意が必要です。

糖尿病

糖尿病とは、インスリン作用の不足により、高血糖や様々な代謝異常が慢性的に起きている状態となります。

多くのホルモンはプラスの作用に働きますが、インスリンは血糖値を下げるというマイナスの作用に働く珍しいホルモンです。

 

糖尿病には、1型糖尿病(膵臓のβ細胞という細胞が破壊されることで絶対的なインスリン不足になるタイプ)と、2型糖尿病(インスリンの分泌低下が主体となる、または、インスリン抵抗性が主体となることでインスリンの相対的不足になるタイプ)に分けられます。

このうち、私達の食生活などが原因となって起こるのは、2型糖尿病です。

この他に、特定の機序や疾患によるもの、妊娠糖尿病があります。

 

慢性的な高血糖状態が続くことで最もダメージを受けるのは血管です。

血管が脆くなる結果、細小血管障害や動脈硬化が進行し、腎不全、失明、壊疽、心筋梗塞などを発症するリスクが高まります。

糖尿病の判定区分

血液検査の結果が以下の条件にあてはまる場合、糖尿病と診断されます。

①、②のいずれかに当てはまる場合、「糖尿病型」と診断され、再検査で同様の結果であった場合に、糖尿病と診断されます。

空腹時血糖値が110mg/dL未満で、75gOGTTが140mg/dL未満であれば、「正常型」と判定されます。

「糖尿病型」でも「正常型」でもない血糖値であった場合、「境界型」いわゆる「糖尿病予備軍」と診断されます。

糖尿病に進行しないよう生活習慣の改善などが必要です。

血圧

高血圧は血管へ負荷がかかる

高血圧が良くないと言われる理由は、血管への負担がかかるからです。

自覚症状がないため、放置されがちですが、血圧が高いまま放っておくと、下記のような疾患につながる危険性が高まります。

健診などで指摘されたら早めの対策が必要です。

 

脳疾患(脳出血、脳梗塞、認知機能障害)

心臓(左室肥大、狭心症、心筋梗塞、心不全)

腎臓(蛋白尿、腎不全)

血管(動脈硬化性プラーク、頸動脈の狭窄、大動脈解離)

眼底(高血圧性網膜症)

など

高血圧の診断基準

成人における血圧値の分類(mmHg)

分類 診察室血圧 家庭内血圧
収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
収縮期血圧
(最高血圧)
拡張期血圧
(最低血圧)
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120~129 かつ <80 115~124 かつ <75
高値血圧 130~139 かつ/または 80~89 125~134 かつ/または 75~84
Ⅰ度高血圧 140~159 かつ/または 90~99 135~144 かつ/または 85~89
Ⅱ度高血圧 160~179 かつ/または 100~109 145~159 かつ/または 90~99
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110 ≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ <90 ≧135 かつ <85

※赤字部分が一般的にいう高血圧(日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」より)

 

正常範囲は、収縮期(最大)血圧が130~139mmHg、拡張期(最低)血圧が85~89mmHgです。

これは、医療機関の診察室で測定した場合の正常範囲で、家庭で測定した場合は、収縮期・拡張期ともに、5mmHg低くしたものが正常範囲の目安となります。

その中でも、収縮期120mmHg未満、拡張期80mmHg未満が、循環器疾患のリスクが最も低い至適血圧と言われています。

正常範囲を超えたものが高血圧ですが、このうち、5%は原因の特定が可能な二次性高血圧、95%が原因の特定が難しい本態性高血圧と言われています。

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