水ぼうそう

水ぼうそう

症状の特徴

発疹 ⇒ 水ぶくれ ⇒ かさぶた

潜伏期間が長い(10~3週間程)

発熱はない人もいる

 

子供の水ぼうそうでは、ほとんどの場合最初の症状は発疹です。

直径4mm以下の赤く、若干盛り上がった発疹が、はじめに頭に現れて、その後全身にひろがります。この発疹は2日ぐらいすると小さな水ぶくれ(水疱)になり、その後かさぶた(痂疲)になります。なので、もし体のどこかに赤く小さな発疹を認めたら、まず髪をかき分けて頭皮を見てみましょう。頭皮にも発疹や水ぶくれがあれば水ぼうそうの可能性があがります。

 

さらに同時期に、赤い発疹、水ぶくれ(水疱)、かさぶたが混じって見られれば、水ぼうそうの可能性はもっと高くなります。大人の場合は発疹が出る少し前に発熱や倦怠感といったいわゆる風邪症状が先にみられることもあります。

 

水ぼうそうの他の症状としては発熱がありますが、全く熱の出ない人もいます。

そのほかに稀ですが髄膜炎や脳炎、肺炎、腎炎、心筋炎などの合併症を発症することもあります。

 

水ぼうそうは感染してから発症するまでの潜伏期が長いのも特徴で、10日~3週間ほどの潜伏期があります。そのため、発疹が出た2週間ほど前に、周りに水ぼうそうの人がいたのであれば、おそらく水ぼうそうでしょう。

水ぼうそうの原因

水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスが感染することによって発病します。

このウイルスは3つの方法で感染します。

1.空気感染:空気中に漂っているウイルスがのどや目の粘膜にくっついて起こる感染

2.飛沫感染:咳やくしゃみで飛び散ったしぶきによる感染

3.接触感染:発疹に触れた手で目や口を触って起きる感染

水ぼうそうの治療

基本的に子供は水ぼうそうになっても重症化しないため、栄養のあるものを摂り、安静にしていれば時間とともに自然に治ります。

 

しかし状況によっては抗ウイルス剤であるアシクロビルや塩酸バラシクロビルの内服が勧められることもあります。特に発疹が出てから2日以内に内服治療を開始すると、発疹が早くかさぶたになると考えられています。重症の水ぼうそうや別の病気がある場合などでは点滴の抗ウイルス剤を使用することもあります。

 

発疹にはかゆみ止めとしてフェノール・亜鉛華リニメント(カチリ)や抗ヒスタミンの塗り薬を使うこともあります。また、水疱をひっかいたときに別の細菌が感染することもあるので、その場合には抗生剤の塗り薬を使用することがあります。

水ぼうそうの予防

家族の1人が水ぼうそうになると90%程度の確率でほかの家族も発症するといわれているほど、感染力が強いのが水ぼうそうの特徴です。ですが、水ぼうそうは一度発症すれば、体の中に抗体と呼ばれる成分ができて、基本2回目の発病はありません。そのためにあらかじめ予防接種をして抗体を作っておくことが予防になります。

 

現在日本では生後12-15か月の間に1回、その後3か月以上空けて2回目を行なう2回の予防接種が標準です。この方法によって95%の人が抗体を持つことができます。この抗体は20年ほど体の中に残りますが、中にはその後抗体が消えてしまう人もいます。その場合は予防接種を追加することもあります。

とにかく、水ぼうそうは空気感染もあるため、風邪やインフルエンザのようにマスクと手洗いをすれば防げるというものではありません。お子さんは国が勧める時期に予防接種を、大人で予防接種を受けていない人も一度も水ぼうそうになったことがなければ予防接種による予防をお勧めします。

水ぼうそうかな、と思ったら

水ぼうそうを疑う発疹が見られたら、薬が必要かどうかを判断するために病院にかかりましょう。ただし、水ぼうそうは感染力が強いので、普通に待合室にいるだけで周りの患者さんにもうつってしまいます。まずは医療機関に電話をして、水ぼうそうの可能性があることを伝えて相談しましょう。

 

医療機関によっては受診時間を変えたり、通常とは違う入り口から入るように指示されることもあります。受診したら、あとは医師の指示に従って過ごしましょう。

基本は安静と水分補給となります。

お風呂について

全身に発疹がある状態が何日も続くので、お風呂はどうしたらいいか気になると思いますが、お風呂につかるのは体が温まって痒みが増しやすく、またお風呂の水から水疱に細菌が感染する可能性もあるのでお勧めできません。シャワーが無難ですが、どうしてもお風呂に入りたいときは一番風呂でぬるめのお湯に短時間入る程度にしましょう。タオルで体を拭くときは、ポンポンとあてるようにして水気を吸い取り、決してこすらないようにしましょう。

 

また、ご家族の中に水ぼうそうにかかったことのない方がいる場合は、お風呂で感染する可能性がありますので、別々に入浴することやタオルの共有を避けるなどの注意が必要になります。

INFORMATION関連記事

診療受付時間

  • ・午前(8:45~12:00)
  • ・午後(13:45~15:00)
  • ・夜間(16:45~18:45)
  • ※午前の12:00~12:30と午後の15:00~15:30は当面の間、発熱外来対応時間となります。

※休診日

木曜、土曜午後、日曜、祝祭日