アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症とは
デノウイルスの感染による疾患で、呼吸器感染症、眼感染症、腸管感染症、泌尿器感染症などの病型に分けられます。アデノウイルスには、血清型として1~51型まで存在しており、それぞれのウイルス型により臨床症状が異なるため、多彩な病型がみられます。
アデノウイルス感染症の疫学
呼吸器感染症の主要な型である1型、2型、および5型の感染は5歳までの乳幼児に多く、年間を通してみられます。
呼吸器症状と結膜炎を認める場合、咽頭結膜熱と呼ばれ、これは3型によるものが多いとされています。
眼感染症の場合は、夏季に学校や集団施設などにおける流行のパターンをとることがあります。
また40型と41型は腸管感染を起こすため、年間を通して乳幼児の感染性胃腸炎の原因となります。
アデノウイルス感染症の感染経路
最初に感染する部位は、咽頭(のどの奥)と、眼の結膜です。体内に入ると、腸の中でも増殖して、長い間便中にウイルスが排出されます。そのため、主な感染・伝播経路は飛沫感染(くしゃみ、咳などで口から飛び散ったウイルスが伝染する)、および糞口感染(便中のウイルスが手などに付着して、それが伝染する)です。
また、眼の感染症では、夏季のプールの水を介した感染・流行が有名であり、これが一般に「プール熱」といわれています。
アデノウイルス感染症の治療・予防
アデノウイルスに対する特異的な治療法はないため、対症療法(症状に合わせた治療)や支持療法が中心となります。また、感染力が強いウイルスですので、家族内感染や施設内で伝染してしまうことを防ぐことが重要です。
アデノウイルス感染症の経過・予後
基本的には予後良好で、自然に回復します。
学校に行ってもいいでしょうか?
熱、眼の症状、のどの症状があるうちは、学校を休む必要があります。
全ての症状が治まり、2日間を経過すれば登校が可能となりますが、その際には、病院・医院での治癒証明書(登校許可書)が必要となります。